Posted by on 2016年8月4日

昨日に引き続き、賃貸住宅退去時の原状回復の話しです。

例えば、「ポスターやカレンダーを貼った壁の画鋲の穴」の修繕義務は入居者にあるのでしょうか?

 

答えは、No!

ポスターやカレンダー等の掲示は、通常の生活において行われる範疇のもの、という扱いです。従って、そのために使用した画鋲、ピン等の穴は、通常の損耗と考えられています。ただし、下地ボードの張替えが必要な程度の場合は借り主の負担となりますので、画鋲程度の細めのハリで留めましょう。

「壁クロスに残ったポスターや絵画の跡」も自然現象による通常の損耗という扱いですので、上記と同様貸し主の負担(家賃に含まれるもの)となります。他にも冷蔵庫裏の黒ずみ(電気やけ)や家具の設置による床、カーペットのへこみ、設置跡、エアコン設置のビス穴、設備機器の故障なども通常損耗とみなされています。

 

それから、賃貸住宅の契約時の請求書に「鍵交換費」が1万数千円程度入っていることが多いのですが、ガイドラインでは、「入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当と考えられる。」と明記されており、「鍵の交換」は貸し主負担とされています

私もお部屋を借りるときの請求書に鍵の交換費が入っていたので、家主負担でしょ?と主張しましたが、あっさり却下されました。

実は、契約自由の原則というのがあるため、双方の合意が優先されるのが基本です。せっかく良い物件を選択して借りようと言うときに「そんなこと言うなら貸さない」と言われると弱いですね。(これが現実。。。)

 

一例を紹介しましたが、通常損耗とみなされている範囲は思っている以上に広いです。

ですから賃貸住宅にお住まいの方は、ガイドラインには是非目を通しておいてくださいね。

 

この流れで、明日は、福岡では一般的な商慣習として行われている「敷引き」について書いてみたいと思います。

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