Posted by on 2016年9月6日

日本では、既存住宅を売買する場合、主に売り手の希望額を不動産屋さんが調整して取引価格を決めるのが一般的です。売り手は購入額や、バブルの値上がりの状況などを忘れられずにいますし、ローン残額があったりするので、この仕組みだと、どうしても高めに売りたい、という方向になりがちです。
また、一般的には、自分の住宅に手を入れ続けて、きちんと管理して、価値を維持し、高く売る、という考え方ができていないので、中古住宅として売りに出す頃には、設備が古くさく、使い古された住宅を売る、ということになってしまいます。このような売り方では、新築と比べると、相当価値が落ちていると思うのですが、売る人はそうは考えません。買ったとき、建てたとき、値上がりしたときの価格で損得勘定してしまうのです。
もちろん、木造住宅はあっという間に減価償却してしまい、結局土地≒住宅売買価格となってしまうという問題もあります。

一方、アメリカの中古住宅は売り手・買い手がそれぞれ専門家に住宅診断(←これが、ホームインスペクションです)をしてもらって取引価格を決めていきます。
だから、売りたい人は高く査定してもらえるように、きちんと維持・管理し、必要ならばリフォームや設備の更新も行った上で売りに出すのです。

取引価格の決め方として売り手、買い手の双方がインスペクションを行うし、そもそも価値を高める努力を行っている。中古住宅だから、新築よりも劣る、という日本とは大違いだと思いませんか?

日本にも車検という制度は一般的です。自動車でも車検で基本性能をチェックしているのですから、住宅にも検査があって然るべき。もちろん中古車には、中古車なりの価値しかない車種が多いのが現状でしょうが、クラッシックカーや一部のマニアに垂涎の名車、なんていう価値が下がらないものもありますよね。住宅も同じと思えば良いのです。

大枚をはたいて手に入れたマイホームをみすみす無価値にしてしまうのではなく、価値を落とさないようにしっかり手入れし、新築とは違った魅力を付加するなどして、商品としての価値を維持・向上する努力をすべきなんです。

このための手法の一つとして、ホームインスペクションを普及させ、一般的にしていくことは意味があると思います。

福岡県でもインスペクション費用を宅建協会など不動産業界や県が補助してくれる制度があります。中古住宅を購入する予定がある方、売却する予定がある方、是非利用を検討してみてください。
制度紹介HPはこちら

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